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整形外科

Orthopedic
整形外科(骨折、脱臼、関節炎など)
歩く、走る、ジャンプする。丸まる、伸びる、しっぽを振る…。動物たちは私達人間以上にダイナミックに体を使って生活しています。そしてそれら体の動きにとって重要になってくるものに、骨や関節靭帯、骨格筋、腱などがあります。

動物メディカルセンター(大阪の箕面・茨木・高槻)ではそれらの部位に発症する多様な整形外科疾患に対応した手術を行っております。整形外科手術に求められる高度な技術(海外のウェットラボ等への参加により常に最新の技術を取り入れています)、特殊な器具、術後の綿密な管理やリハビリも含めて患者様と飼い主様にベストな治療を提供していきます。

※術中臓器の写真を多数掲載しております。ご覧になる際ご注意ください。

  • 前十字靭帯断裂症
  • 股関節形成不全症
  • 膝蓋骨脱臼
  • 骨折
  • 関節鏡・関節手術
  • 関節検査

1.前十字靭帯断裂症(Cranial Cruciate Ligament Injury)

前十字靭帯断裂症
前十字靭帯は膝関節内に後十字靭帯と交差するように存在し、脛骨の前方運動や内旋運動を抑制し、膝関節の安定を保っています。一度損傷すると膝関節の不安定が持続するのが現状です。
関節内および関節外固定法
関節内および関節外固定法
従来の手術方法でヒト医学と同様に自己の前十字靭帯に変わる自己組織・人工靭帯などの使用により、本来の靭帯の位置またはそれに変わる位置への装着により膝関節の安定化を目的とする。

→人と動物の膝とは構造上異なるため、本来の靭帯にはかなわず、ゆっくりと変形性関節症へ進行→『獣医外科医の悩み!』でした。
近年主流とされている手術方法
脛骨高平部水平化骨切り術:TPLO(Tibial Plateau Leveling Osteotomy)とは?
脛骨高平部水平化骨切り術(TPLO)はSlocum Enterprises Inc.,Oregon,USA が開発し所有する特許手術であり、その許可・特殊訓練を受けた外科医のみで実施されていた手術です。現在ではその特許期限がなくなり、各社切磋琢磨し、さまざまに工夫された器具、インプラントにより手術がより円滑に、実施されるようになったのが現状です。当院では2002年より開発元のSloucm Enterprise, Inc. の認定を受け、日本で早期に実施しております。


手術は、前十字靭帯が欠如した膝関節に対し、脛骨高平部を水平化することにより、脛骨の前方への力を生体力学的に中和し、脚の負重時の安定化をもたらします。
 
TPLO
TPLO
TPLO術前と術後
術前:前十字靭帯を欠如理論
ロープが無ければ車は後方へ滑り降りる
*ロープが無ければ
車は後方へ
滑り降りる
術後;前十字靭帯が無くても安定理論
ロープが切れても車は停止する
*ロープが切れても
車は停止する

術前:前十字靭帯を欠如

  術後;前十字靭帯が無くても安定 

※手術は基本的に二次的な半月板損傷を防止するため場合により内側半月板後角の遊離術も併用することもあります。

従来の手術法と比較すると
  • より歩行上の膝の動きが安定し、動物の術後早期回復が著明に改善
  • より長期的に変形性関節症への進行を抑制
  • 慢性関節炎・変形性関節症が始まっていても有効
  • 特に中型から大型犬に有効といわれておりました
現在、動物メディカルセンター(大阪の箕面・茨木・高槻)では、日本での人気小型犬種にもMini TPLO/CBLO(CORA Based Leveling Osteotomy)を使用し良好な成績を得ており推奨しております。また、成長期脛骨高平部過剰角形成にはTPLO&CCWO(Cranial Closing Wedge Osteotomy)にて対応しております。
ヨークシャテリアとチワワのMini TPLOヨークシャテリアとチワワのMini TPLOヨークシャテリアとチワワのMini TPLO
ヨークシャテリアとチワワのMini TPLO
脛骨高平部過剰角に対するTPLO&CCWO術前脛骨高平部過剰角に対するTPLO&CCWO術後
脛骨高平部過剰角に対するTPLO&CCWO術前と術後

2.股関節形成不全症(Hip Dysplasia)

股関節形成不全症とは?
股関節形成不全症
発育期の動物に起こる、カップとボールがはまり込む形体をとる股関節の緩みまたはそのカップ『寛骨臼』とボール『大腿骨頭』の不適合を示す状態を言う。特に大型犬に多く認められるが、全犬種または猫においても報告が認められている。原因は遺伝・運動・食事・成長スピードなどさまざまな因子がかかわる多因子性疾患といわれている。
進行すると?
寛骨臼と大腿骨頭の形が変形し、変形性関節症へ進行する。
軽度
TPO
 
TPO&THR
重度
THR
股関節形成不全を放置すると?
治らない・歩行障害・痛みの持続・食欲元気の低下・関節の腫脹・関節の可動範囲低下・他の脚への過剰負担・筋肉の萎縮・悪い生活リズムなどが考えられます。

→つまり慢性関節炎・変形性関節症へ進行します。
治療法

 体重コントロール・運動コントロール・消炎鎮痛剤・軟骨修復保護剤など
 
●自己関節を温存し変形性関節症への進行を抑制するための手術
 :若齢期恥骨結合癒合術(JPS:Juvenile Pubic Symphysiodesis)
 :骨盤三点骨切り術(TPO:Triple Pelvic Osteotomy)

●痛みをとることを目的とする手術
 :大腿骨頭切除術(FHO:Femoral Head Osteotomy)
 :大腿骨頭頚部切除術(FHNO:Femoral Head and Neck Osteotomy)

●変形性関節症へ進行した関節を人工関節へ交換する手術
 :股関節全置換術(THR:Total Hip Replacement)
TPO
TPO
TPO&THR
TPO&THR
THR
THR
病気の時期・度合いにより治療法を選択
若齢期恥骨結合癒合術:JPSとは?
若齢期恥骨結合癒合術
若齢期恥骨結合癒合術 JPS:Juvenile Pubic Symphysiodesis
最も若齢期での手術法

カップである『寛骨臼』のボール『大腿骨頭』へのかぶさり度合いを、骨盤の恥骨結合部の成長を骨癒合により停止させることにより、動物自身の骨の成長を利用し、寛骨臼のかぶさり度合いを成長が終わるまでに変化させることを目的とする手術である。

適齢期:3~5ヵ月齢、変形性関節炎が進行していないことが必要

現時点では股関節形成不全症に対する治療として、最も低侵襲で、より早期の治療手術に当たります。
術前レントゲン像
術前レントゲン像
術後4か月後のレントゲン像
術後4か月後のレントゲン像
骨盤三点骨切り術(Triple Pelvic Osteotomy:TPO))とは?
骨盤三点骨切り術
カップである『寛骨臼』のボール『大腿骨頭』へのかぶさり度合いを、骨盤の三ヶ所を一時的に切り離し矯正整復固定することで、寛骨臼のかぶさり度合い(角度)を矯正することを目的とする手術である。

適齢期:12ヵ月齢まで、変形性関節炎が進行していないことが必要

当院では近年では小型犬種においても早期発見が必要となり、膝蓋骨脱臼を伴う股関節形成不全症が診断されるようになり膝蓋骨脱臼を治療する前に可能であれば優先的に股関節形成不全症の治療として骨盤三点骨切り術(Mini TPO)を施行し、場合により膝蓋骨脱臼に対しても良好な改善を得られることが認められております。
TPOレントゲン像術前術後TPOレントゲン像術前術後
TPOレントゲン像術前術後
トイプードルの膝蓋骨内方脱臼を伴う股関節形成不全症におけるMini TPO 術前術後トイプードルの膝蓋骨内方脱臼を伴う股関節形成不全症におけるMini TPO 術前術後
トイプードルの膝蓋骨内方脱臼を伴う股関節形成不全症におけるMini TPO 術前術後
股関節全置換術(THR)とは?
股関節全置換術とは、変形し悪化したカップ『寛骨臼』とボール『大腿骨頭』を人工関節に置き換える手術です。当院では全世界で最も多く使われているBioMedtrixシステムを使用しており、人工関節と骨とは骨セメントで固定いたしますので、細菌の侵入を防ぐため、厳密な無菌手術室、無菌操作が必要な高度な手術です。
クリーンルームにおける人工関節置換手術実施中
クリーンルームにおける人工関節置換手術実施中
適齢期:9ヶ月齢以上、骨の成長が完了していることが必要

当院では、現在BioMedtrix社よりBioMedtrix Universal Hipの認定をすでに受けておりますので、BioMedtrix BFX、CFX、Hybrid、Micro CFX、Nano CFXの実施が可能となりました。
BioMedtrix社BFXとCFX術前術後BioMedtrix社BFXとCFX術前術後
BioMedtrix社BFXとCFX術前術後
BioMedtrix社Nano&Micro CFXインプラントサイズBioMedtrix社Nano&Micro CFXインプラントサイズ
BioMedtrix社Nano&Micro CFXインプラントサイズ
Micro CFXを用いた人工関節置換術
Micro CFXを用いた人工関節置換術

3.膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼とは?
膝蓋骨脱臼とは後肢にある膝蓋骨(いわゆる『おさら』)が正常な位置から逸脱した状態をいい、これには内側にはずれる膝蓋骨内方脱臼(Medial Patella Luxation:MPL)と、外側にはずれる膝蓋骨外方脱臼(Lateral Patella Luxation:LPL)があるが、その発生頻度は圧倒的に内方脱臼が多いと報告されております。

膝蓋骨内方脱臼好発種
チワワ・ヨークシャーテリア・ポメラニアン・トイプードル・シーズーなどの小型犬種

膝蓋骨外方脱臼好発種
股関節形成不全に伴うことが多く、大型犬種に多い
原因
先天性・発育性・外傷性・股関節形成不全症など
膝蓋骨脱臼を放置すると!
慢性関節炎・変形性関節症への進行
治らない・歩行障害・痛みの持続・関節の腫脹・脚の変形・関節の可動範囲の低下・他の脚への過剰負荷・筋肉の萎縮・前十字靭帯・半月板損傷・股関節の異常・食欲元気消失・悪い生活のリズムなどが考えられます。

→つまり慢性関節炎・変形性関節症への進行いたします。
程度の分類
グレードⅠ〜グレードⅣに分類される
治療法

体重コントロール・運動コントロール・消炎鎮痛剤・軟骨修復保護剤など→根本的には治らず
 
膝蓋骨を正常な位置へ戻し、脱臼しないように安定させることを目的とする手術です。

1:滑車溝(膝蓋骨の乗っている大腿骨の溝)の形成
2:弛緩した関節包、筋膜を縫縮
3:膝蓋骨と種子骨を糸で補強
4:脛骨粗面転移術:膝蓋骨からの腱が下腿骨に付着する部位の移動→脚のますっぐさを整える
5:金属(パラガード・骨ネジなど)の装着
6:大腿骨・下腿骨の変形を矯正:矯正骨切り術
グレードの程度により上記の手技を組み合わせ手術を行います。
生体力学的なまっすぐさ・安定化が必要となります。
様々な滑車溝と様々な形成術
様々な滑車溝と様々な形成術正常様々な滑車溝と様々な形成術術前1様々な滑車溝と様々な形成術術前2様々な滑車溝と様々な形成術術前3
 様々な滑車溝と様々な形成術術後1様々な滑車溝と様々な形成術術後2様々な滑車溝と様々な形成術術後3

4.骨折

四肢の骨折、その他各骨折、骨折骨癒合不全、遷延治癒骨折、変形癒合矯正
骨移植:海綿骨移植、皮質骨移植、人工骨補填
骨折
海綿骨採取 
各種プレート固定法、各種創外固定法
大腿骨粉砕骨折整復プレート&ロッド固定術術前
大腿骨粉砕骨折整復プレート&ロッド固定術術後
大腿骨粉砕骨折整復プレート&ロッド固定術(術前術後)
上腕骨粉砕骨折整復創外固定&ラグスクリュー固定術(術前術後)上腕骨粉砕骨折整復創外固定&ラグスクリュー固定術(術前術後)
上腕骨粉砕骨折整復創外固定&ラグスクリュー固定術(術前術後)
開放性脛骨骨折タイプⅢ創外固定術
開放性脛骨骨折タイプⅢ創外固定術
最小侵襲骨折整復固定法(小切開手術、レントゲン透視下手術など)、その他の小切開手術
レントゲン透視下における大腿骨遠位粉砕骨折ラッシュピン固定法
レントゲン透視下における大腿骨遠位粉砕骨折ラッシュピン固定法
骨盤三転骨切り術時の2㎝切開ラッププロテクター使用坐骨骨切り術
骨盤三点骨切り術時の2㎝切開ラッププロテクター使用坐骨骨切り術
椎間板ヘルニアに対する2㎝切開ラッププロテクター使用小切開片側椎弓切除術椎間板ヘルニアに対する2㎝切開ラッププロテクター使用小切開片側椎弓切除術
椎間板ヘルニアに対する2㎝切開ラッププロテクター使用小切開片側椎弓切除術

5.関節鏡

関節鏡手術写真関節鏡手術写真
肘関節:肘関節形成不全症(FCP、OCD、UAPなど)など
肩関節:肩関節不安定症、上腕二頭筋滑膜腱炎、OCDなど
膝関節:十字靭帯損傷、半月板損傷、OCDなど
その他、関節鏡手術写真
肘関節内FCP病変と骨片除去肘関節内FCP病変と骨片除去
肘関節内FCP病変と骨片除去
TPLO術後観察
TPLO術後観察
その他の関節手術
肘関節
肘関節形成不全症(Elbow Dysplasia)
FCP(Fragment of Coronoid Process):内側鉤状突起折損
OCD(Osteochondritis Dissecans):離断性骨軟骨症
UAP(Ununited Anconeal Process):肘突起癒合不全
Incongruity:肘関節不適合

を含む肘関節形成不全症に対し、当院では関節鏡検査、関節鏡下手術、尺骨骨切り術および部分切除術、近年では生体力学的矯正を目的とした近位尺骨外反骨切り術(PAUL:Proximal Abducting Ulnar Osteotomy)が実施し可能となりました。
肩関節
肩関節不安定症、上腕二頭筋滑膜腱炎、上腕二頭筋腱断裂、OCD
上腕二頭筋腱断裂
上腕二頭筋腱断裂
上腕二頭筋腱固定術
上腕二頭筋腱固定術
各種関節脱臼、亜脱臼
顎関節脱臼、肩甲骨脱臼、肩関節脱臼、肘関節脱臼、手根関節不安定症、股関節脱臼、膝関節脱臼、不安定症、下腿足根関節脱臼、足根関節亜脱臼、など
顎関節脱臼正常咬合と脱臼時咬合顎関節脱臼正常咬合と脱臼時咬合
顎関節脱臼正常咬合と脱臼時咬合
各種変形矯正
ミニチュアダックスフントの脛骨異形成、その他、四肢の変形矯正
変形矯正術前
変形矯正術後
ミニチュアダックスフントの脛骨異形成矯正術
各種関節癒合術
肩関節癒合術、肘関節癒合術、手根関節癒合術、膝関節癒合術、下腿足根関節癒合術、足根関節癒合術、など
プレート&クロスピン固定法を用いた手根関節癒合術
プレート&クロスピン固定法を用いた手根関節癒合術
創外固定器を用いた下腿足根関節癒合術
創外固定器を用いた下腿足根関節癒合術

6.関節検査

各種関節検査、関節液検査、股関節形成不全症に対する早期発見、評価法など、
股関節:鎮静下触診:オルトラニサイン、整復角度/亜脱臼角度、
鎮静下レントゲン評価:Norberg Angle、Distraction Index(DI)、Dorsal Acetabular Rim Angle(DARA)、Acetabular Angle(AAはCTでの評価となります)、
膝関節:ドローワーテスト、脛骨圧迫テスト、関節液検査、超音波検査など
肩関節検査:鎮静下関節液検査、関節造影、関節不安定症評価など
肘関節検査:鎮静下肘関節形成不全症に対する評価など
手根関節、足根関節、その他部位関節検査:各関節不安定症評価、ストレスレントゲン像撮影など
関節液検査
関節液検査
二頭筋腱断裂所見二頭筋腱断裂所見
肩関節造影法、上腕二頭筋腱断裂所見(肩関節伸展位および屈曲位)
肩関節OCD
肩関節造影法 肩OCD
Norberg Angle測定
Norberg Angle測定
DARA測定
DARA測定