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2020年11月28日 土曜日
あんこの闘病日記
湊 あんこ(トイ・プードル) 11歳 男の子
性格:人見知りで穏やか。なれると誰にでも付いていく可愛い子!

病歴:骨折(家に来た次の日)
:胆泥症(2018.7.28のブログ参照)→ 飲み薬と運動・食事療法で経過観察中
:唾液腺嚢胞(2019.11.9のブログ参照)→ 唾液を抜いてからはあまり溜まらず
落ち着いている
こんにちは。看護師の湊です。今回のお話は・・・。
ある日、仕事から帰りいつも通り遊んでゆっくりした後、僕が自分の部屋に戻り少しすると・・・。
隣の部屋からあんこの"キャン"という鳴き声が・・・。いそいで見に行くと左の後ろ足を
あげたあんこの姿があり、親に確認すると立ち上がって、いつも通り動こうとしたとき"キャン"と
鳴いてそれからずっとあげているとのことでした。
次の日、仕事であんこと一緒に出勤し先生に診てもらうと・・・。
前字靭帯部分断裂との事でした。
【前十字靭帯断裂とは・・・】
重度の捻挫の事で、靭帯が様々な原因によって部分的あるいは完全に切れてしまうこと。

あんこの場合、部分的に断裂している状態ですが、今後損傷を蓄積させ悪化すると完全断裂に
皆さんも日頃から少しでも気になることがあれば是非シニア期を待たずに
若い頃から健康診断をお勧めします。
:胆泥症(2018.7.28のブログ参照)→ 飲み薬と運動・食事療法で経過観察中
:唾液腺嚢胞(2019.11.9のブログ参照)→ 唾液を抜いてからはあまり溜まらず
落ち着いている
こんにちは。看護師の湊です。今回のお話は・・・。
ある日、仕事から帰りいつも通り遊んでゆっくりした後、僕が自分の部屋に戻り少しすると・・・。
隣の部屋からあんこの"キャン"という鳴き声が・・・。いそいで見に行くと左の後ろ足を
あげたあんこの姿があり、親に確認すると立ち上がって、いつも通り動こうとしたとき"キャン"と
鳴いてそれからずっとあげているとのことでした。
次の日、仕事であんこと一緒に出勤し先生に診てもらうと・・・。
前字靭帯部分断裂との事でした。
【前十字靭帯断裂とは・・・】
重度の捻挫の事で、靭帯が様々な原因によって部分的あるいは完全に切れてしまうこと。


あんこの場合、部分的に断裂している状態ですが、今後損傷を蓄積させ悪化すると完全断裂に
なる可能性は十分にある状態です。
今は。ケージレストと体重管理で時々立ち上がるときに気にしていますが、
落ち着いて過ごしてくれています。
今後も内科的治療でしっかりと回復していけるようにサポートしていきたいと
思います。
あんこも今年で11歳。(人で言うと約60歳!)
歳を重ねるごとに、人と同じで定期的な健康チェックが必要だなと改めて思いました。
今は。ケージレストと体重管理で時々立ち上がるときに気にしていますが、
落ち着いて過ごしてくれています。
今後も内科的治療でしっかりと回復していけるようにサポートしていきたいと
思います。
あんこも今年で11歳。(人で言うと約60歳!)
歳を重ねるごとに、人と同じで定期的な健康チェックが必要だなと改めて思いました。

皆さんも日頃から少しでも気になることがあれば是非シニア期を待たずに
若い頃から健康診断をお勧めします。
投稿者 動物メディカルセンター | 記事URL
2020年11月14日 土曜日
我が子のターミナルケア
こんにちは。動物メディカルセンター 獣医師の中川です。
さて、今回のお話は獣医師としてではなく一人の飼い主としてのお話です。
以前にもブログに出させていただいたうちの先住犬が先月亡くなりました。
享年12歳でした。
僕自身、ずっと一緒に暮らしてきた家族を亡くすという経験は初めてでしたので、今もまだ、ふと思い出して寂しい気持ちになります。
今は四十九日を終えて一段落ついたところです。
先月まで、病院内にてグリーフケア=悲しみや喪失感のケアセミナーを専門の先生に開催していただきました。ペットの高齢化が進む昨今、飼い主様とペットがより良いエンディングを迎えられるよう、私達スタッフの心構えや関わり方を学ぶためです。
セミナーでは所謂「ペットの終活」というものについて学びました。
飼い主とペット双方の生前から死後まで幅広いケアについてのお話をいただきました。

そんなセミナーを受けながら、自分の愛犬のターミナルケアに立ち会った経験を少しお話させていただければと思います。
9月の上旬ごろから食欲不振が進んでしまい、今まで食べていたフードを全く食べなくなってしまっており、病態としてはかなり厳しいものでした。
治療方針を決めるために次に行う検査としてはCT検査や生検など麻酔が必要な検査でした。
阿部先生のお話の中で、病気と向き合うだけでなく、あくまでもペットを主役に治療を考え、時には検査を次々進めていくだけでなく、ペットの気持ちとも相談して検査・治療を進めていくことが大切なのだと学びました。
家族と、病院の苦手なこの子にとって何が幸せなのだろうと考えた結果、この子にできるだけストレスがないように、幸せに最期を迎えてもらえるように、ということを家族と話し合って決めました。
まず、ご飯に関しては無理に療法食を与えるのではなく、好きなものを、食べられるものを食べてもらえるようにしました。
実はうちの子は雑炊が好物で、野菜や鶏の出汁で炊いたものが
好物だったのでそれを作ったり...
深い器だと食べにくそうだったので、平皿やかさ上げ台を
使ってみたり...

実際に食べていた写真がなかったのが残念なのですが、
フードにはほとんど手を付けなかったのに、これは喜んで食べてくれていました。
うちの子はとても病院が苦手で、行くことそのものがストレスになるんじゃないか、ということもあり毎日は通院していませんでしたが、どうしても必要と思われる点滴とお薬の注射は頑張っていました。
ペットにとって住み慣れた家は「安全基地」なんだそうです。
その「安全基地」が脅かされないように、自宅ではなるべくいつも通りに過ごしてもらえるように、内服薬もストレスにならない範囲で与えることにしていました。
セミナーで教えていただいたように、自宅に仲の良かったわんちゃんやご近所さんなどに来てもらったりもしました。
皆さんに会えて尻尾をぶんぶん振ってくれていてとてもうれしそうにしていました。これは愛犬にとっても幸福なことだったと思うのですが、同時に僕ら飼い主側にとっても少し救われるような出来事でした。
同時に家族の不安を和らげることも大事なことでした。
ペットはずっと一緒に暮らしてきた家族のことをよく見ていて、不安や焦りなどを敏感に感じ取ってしまうんだそうです。だから僕たちもなるべくいつも通りに名前を呼んで、大好きなお散歩も本人が行きたそうであれば連れていくなどしていました。

最期には普段一緒に暮らしている家族とうちの子の実家(生家)のお父さんお母さんに囲まれながらゆっくりと息を引き取りました。
正直なところ、この選択で本当に正解だったのか今でもわかりません。ですが今回のこの選択は病気ではなくこの子を主役に、幸せな最期というものを考えられたということで後悔はしていません。
けれど、ペットの幸せは何かというのを考えること、今この子がどう思ってどう感じているのかというのを考えることはこれからも続けていきたいと思います。
この経験を皆様のペットの幸せな一生のために生かすことができるよう努力していくことが獣医師として今の僕にできる一つのことなのかなと思います。
次回、11/28(土)に更新予定です。
さて、今回のお話は獣医師としてではなく一人の飼い主としてのお話です。
以前にもブログに出させていただいたうちの先住犬が先月亡くなりました。
享年12歳でした。

僕自身、ずっと一緒に暮らしてきた家族を亡くすという経験は初めてでしたので、今もまだ、ふと思い出して寂しい気持ちになります。
今は四十九日を終えて一段落ついたところです。
先月まで、病院内にてグリーフケア=悲しみや喪失感のケアセミナーを専門の先生に開催していただきました。ペットの高齢化が進む昨今、飼い主様とペットがより良いエンディングを迎えられるよう、私達スタッフの心構えや関わり方を学ぶためです。
セミナーでは所謂「ペットの終活」というものについて学びました。
飼い主とペット双方の生前から死後まで幅広いケアについてのお話をいただきました。

そんなセミナーを受けながら、自分の愛犬のターミナルケアに立ち会った経験を少しお話させていただければと思います。
9月の上旬ごろから食欲不振が進んでしまい、今まで食べていたフードを全く食べなくなってしまっており、病態としてはかなり厳しいものでした。
治療方針を決めるために次に行う検査としてはCT検査や生検など麻酔が必要な検査でした。
阿部先生のお話の中で、病気と向き合うだけでなく、あくまでもペットを主役に治療を考え、時には検査を次々進めていくだけでなく、ペットの気持ちとも相談して検査・治療を進めていくことが大切なのだと学びました。
家族と、病院の苦手なこの子にとって何が幸せなのだろうと考えた結果、この子にできるだけストレスがないように、幸せに最期を迎えてもらえるように、ということを家族と話し合って決めました。
まず、ご飯に関しては無理に療法食を与えるのではなく、好きなものを、食べられるものを食べてもらえるようにしました。
実はうちの子は雑炊が好物で、野菜や鶏の出汁で炊いたものが
好物だったのでそれを作ったり...

深い器だと食べにくそうだったので、平皿やかさ上げ台を
使ってみたり...

実際に食べていた写真がなかったのが残念なのですが、
フードにはほとんど手を付けなかったのに、これは喜んで食べてくれていました。
うちの子はとても病院が苦手で、行くことそのものがストレスになるんじゃないか、ということもあり毎日は通院していませんでしたが、どうしても必要と思われる点滴とお薬の注射は頑張っていました。
ペットにとって住み慣れた家は「安全基地」なんだそうです。
その「安全基地」が脅かされないように、自宅ではなるべくいつも通りに過ごしてもらえるように、内服薬もストレスにならない範囲で与えることにしていました。
セミナーで教えていただいたように、自宅に仲の良かったわんちゃんやご近所さんなどに来てもらったりもしました。
皆さんに会えて尻尾をぶんぶん振ってくれていてとてもうれしそうにしていました。これは愛犬にとっても幸福なことだったと思うのですが、同時に僕ら飼い主側にとっても少し救われるような出来事でした。
同時に家族の不安を和らげることも大事なことでした。
ペットはずっと一緒に暮らしてきた家族のことをよく見ていて、不安や焦りなどを敏感に感じ取ってしまうんだそうです。だから僕たちもなるべくいつも通りに名前を呼んで、大好きなお散歩も本人が行きたそうであれば連れていくなどしていました。

最期には普段一緒に暮らしている家族とうちの子の実家(生家)のお父さんお母さんに囲まれながらゆっくりと息を引き取りました。
正直なところ、この選択で本当に正解だったのか今でもわかりません。ですが今回のこの選択は病気ではなくこの子を主役に、幸せな最期というものを考えられたということで後悔はしていません。
けれど、ペットの幸せは何かというのを考えること、今この子がどう思ってどう感じているのかというのを考えることはこれからも続けていきたいと思います。
この経験を皆様のペットの幸せな一生のために生かすことができるよう努力していくことが獣医師として今の僕にできる一つのことなのかなと思います。
次回、11/28(土)に更新予定です。
投稿者 動物メディカルセンター | 記事URL